事例のご紹介
物流効率化と環境対応の両立(モーダルシフト推進)
アルミ製コンテナを使用してユーザー(A社)へのバルク納入(鉄道)を行っていた輸送スキームを、顧客の要望(コンテナのさらなる大型化および環境負荷の低減)を受け、「輸送力強化(積載量増加)」、 「環境負荷の改善(CO2の削減)」 「異業種間共同物流(ラウンドユース)の確立」および「鉄道会社の路線存続」を実現した事例。
※「2014年度 グリーン物流パートナーシップ会議特別賞」受賞
問題点
- アルミ製コンテナの調達コスト高と輸送量強化の限界
アルミ製コンテナは海上輸送には対応していなかったため汎用性が低く、初期導入費用も高かった。また、コンテナ一基あたりの積載量も10トン程度と一般的なコンテナと比べて少なかった。 - 鉄道会社の路線および着駅の存続問題
鉄道会社側の採算性の問題から、当該路線および着駅の存続問題に直面していた。(コンテナ輸送量の確保および休止予定駅(着駅)からの復荷の確保が存続条件)

改善施策
- 費用対効果の高いグローバル標準規格コンテナの採用
従来のアルミ製コンテナから海上輸送にも対応した20フィートISOコンテナに変更したことにより、価格も含め調達が容易になるとともに、実容量も1.3倍になりコンテナ一基あたりの積載量も17~18トン程度と大幅に増え、輸送量強化を図ることができた。 - A社への製品納入後の復荷(帰り荷)の確保
鉄道会社の採算性の問題により着駅の存続が危ぶまれていたため、復荷を確保すべく、顧客の協力を得て当該駅が利用可能なA社に駅存続の協力を仰いだ。
協力の条件としてA社からは下記が提示された。- 現在の輸送方法(トラック輸送)と同等の輸送品質確保
A社の製品の積み付けテストを経て積載方法を確定し、輸送時に製品の品質を維持するための輸送テスト(輸送方法改善を含む)を行うことによりクリアした。 - 自然災害発生時を含めたリードタイムの厳守
A社の製品を保管する倉庫会社の協力も仰ぎ、A社の製品の積み込み作業を鉄道便の発車時刻に間に合うように調整し、なおかつA社のエンドユーザーへのラストワンマイルの配送も時間厳守できる通運会社の選定を行った。また鉄道輸送障害発生リスクを回避するため、輸送ルート上の天候を踏まえて発送可否の判断をする仕組みを構築した。 - 現在の輸送方法(トラック輸送)と同等以下の運賃
「異業種間の共同物流(ラウンドユース)」を実現したことにより、鉄道輸送の運賃をトラック輸送の運賃と同等に抑えることが可能となった。
- 現在の輸送方法(トラック輸送)と同等の輸送品質確保
なお、このスキーム構築により鉄道会社が提示した着駅の存続条件を満たしたことにより、オフレールステーションと形態を変えたものの、当該路線の存続、顧客の輸送コスト増の回避に成功した。またインフラ整備についても、顧客と鉄道会社の協儀により実施されるはこびとなった。
改善後の効果
- 経済効果
返送空コンテナの利用によるコスト削減
コンテナ大型化による輸送費削減 - 環境改善
CO2排出量削減
実施前と比較して38.2%削減(年間237.2トン削減) - 副次的効果
- 地域活性化への寄与
本取り組みにより休止予定駅を存続させたことにより、取り組み前と比較して大型コンテナの発送量が1.3倍に増加した。また、当該駅を利用する会社も新たに3社増加し、結果的に地域活性化に寄与することができた。 - 乗務員不足対策の先取り
トラック輸送の一部を鉄道輸送へ切り替えたことにより、昨今の物流課題の一つとなっているトラック不足・乗務員不足の軽減を図ることができ、A社への安定的な輸送維持にも貢献できた。
- 地域活性化への寄与

その他の事例
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